気分爽快!運動はうつ症状を軽減させるのか?

今日も一日お疲れ様です😊

 

今週は雨だったり強風だったりが続いてウォーキングできていなかったんですが、今日は久しぶりに穏やかないい天気。近所の公園の周りを2周歩いてきました。時間にすると30分くらいなんですが、気分すこやかで良き。

 

以前の投稿でもウォーキングは「うつ病」にいいと書きましたが、今回は「うつ病」と運動の関係についてご紹介します。

 

運動によってうつ症状の発生リスクが減るという報告は複数あって、

  • 活動的な人は不活動である人と比較してうつ症状の発生リスクがおよそ15%~25%低い
  • 歩行や階段昇降などによるエネルギー消費量が多い人、またはスポーツの実施時間が長い人の発症率が低い

などの結果が報告されてます。

 

また、1999年に海外で行われた運動療法薬物療法の効果を比較する研究では、うつ病の人を①運動グループ②抗うつ薬投与グループ③運動と抗うつ薬併用グループにわけて16週間治療をつづけたところ、3つのグループともにうつ症状が改善して、6割以上がうつ病の診断基準に該当しなくなったんだそう。

 

研究でおこなわれた運動療法の内容は、

  • 週3回、心拍予備能の70%~85%の強度でウォーキングまたはジョギングを30分(指導に基づき管理下で行った運動療法

です。ちょっとわかりづらいんですが、中高年の健康づくりに適当な運動強度は50%~60%ともいわれているので、なかなかきつい運動になるんじゃないかと。

 

じつは去年の夏、自分の年齢と安静時の心拍数から運動強度70%の目標心拍数を計算して、どの程度の運動が70%になるのかひそかに実験したので今更ながら公開します。

 

わたしの運動強度70%の目標心拍数は139.1(拍/分)でした。数字だけみてもどんなものかわからないので、とりあえずウォーキングの心拍数を測定。

ウォーキングの平均心拍数は102bpmでした。運動強度を計算してみると37%なので低強度の運動です。

 

つぎは中強度の運動強度50%の目標心拍数を保つように走ってみました。

わたしの場合、ウォーキング30分のうち、ときどき軽いジョギングを挟んだくらいが中強度になりました。

 

最後に運動強度70%に挑戦。

ヤバ…!もうかなりしんどかったです。運動後の爽快感は強度50%のときのほうが感じました。70%になると疲労感がすごくて週1でもつらいかもというのが感想です。

あくまで海外の研究でおこなわれた内容が強度70%~85%だったというだけで、それ以下では効果がないとはいってません。指導に基づき管理下で行った運動療法なので、ジョギングやランニングの習慣がない人が無理をするとからだへの負担が大きく危険です。絶対に無理はやめましょう!

以上が実験の結果でした。

ところで、日本うつ病学会が発表した大うつ病性障害の治療ガイドラインには、軽症のうつ病患者への治療法として

  • 運動を行うことが可能な患者の場合、うつ病運動療法に精通した担当者のもとで実施マニュアルに基づいた運動療法が用いられることがある

と記載されています。

  • 単独でのエビデンスが十分ではなため、現時点では薬物療法や精神療法との併用療法として行うべき
  • 週に3回以上の運動が望まれ、また強度は中等度のものを一定時間継続することが推奨される

と具体的な内容にも触れているんですね。

気分がいいときは、少し外を散歩することからはじめてみるのもいいかもしれませんよ🚶‍♀️


【参考】

うつ病運動療法の現状と展望,武田典子, 内田直,ストレス科学研究 28, 20-25, 2013)
(J A Blumenthal et al. Arch Intern Med. 1999.)
(日本うつ病学会:日本うつ病学会治療ガイドラ インII.大うつ病性障害2012 ver. 1,2012)